フィンランドの大地にキートス(ありがとう)

かもめ食堂」。



なんてお洒落な映画でしょう。
絵やセンスは外国なのに、邦画として成立しています。
表面的には欧米で、内面的には日本。
ハープで日本を表現した感じ。



またメインのキャストが皆個性派俳優なのが面白いです。
小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん。


小林さんは中学生の時にドラマ「すいか」を観て以来大好きです。
主演の小林さんと、大塚愛さんのテーマソング「桃ノ花ビラ」に心踊らせました。
あのドラマ、当時はクラスで僕しか観てなくて結構寂しい想いをしたっけ。
また観たいなあ。



片桐はいりさんは強烈ですよね。
あの外見で静の芝居をされたらとてつもなくシュールだし、動の芝居をされたらとてつもなく迫力がある。


もたいまさこさん。
素敵です。
この人に先にやられちゃうと、他の人はもう同じ役出来ませんね。
素敵です。



この3人を上手く使った荻上直子監督のセンス、手腕は見事です。
なんてお洒落な監督。



ラストシーンは格別です。
とても容易に予想のつく終わり方だけれど、こう終わって欲しいという瞬間にそう終わってくれたという印象。
素晴らしく気持ちが良い。
ベタの最高例。



また全編通して音楽が良い。
センス二重丸。
ベストマッチ。
井上陽水さんのエンディングテーマ「クレイジーラブ」もぴったり。



しかしながら、僕が勝手ながらMVPを送りたいのはキャストでも監督でも音楽でもありません。
フィンランドの美しい自然。
オールフィンランドロケでしか作り得ない美。
今の日本の環境が恥ずかしくなる程の。
これを観る前から僕はフィンランドが好きな外国No.1でしたが、さらに好きになりました。
間違いなく、フィンランドの大地がMVPです。